私の周りには、数人の、専門性を持った仕事についている女友達や先輩がいます。つまり研究職、研究所や大学での仕事をしている人たちです。
女性の仕事としては、最近は門戸が開かれてきましたが、皆大変であることは変わりないようです。
まず大学院を出なければなりませんし、そこで即就職が保障されているものでもなく、相変わらず女性の仕事にはなりにくい面があるようです。それを潜り抜けて職に就いた人たちですから、本当にすごいと思います。
一人は心理学のゼミで一緒だった人で、この人は自分の地元の大学に就職し、着実にキャリアを形成しています。
二人目はサークルが一緒だった人で、初めは大学勤務をしていましたが、そこのボスが退官して研究所を立ち上げた時に、そちらについていきました。
三人目はサークルの先輩で、この人はすごい波乱万丈のコースをたどっている人で、初め辞書系の出版社に入って、皆の憧れの的だったのですが、数年できっぱりやめてしまい、周りをびっくりさせました。そのうち、大学院に入り、もともと教員免許も持っていたので、私立中学高校の非常勤講師を務めながら、さらに研究をつづけ、最近は大学の非常勤講師の仕事をも得て、中学高校の仕事と並行して頑張っています。
四人目は高校の同級生で、大学院を出た後ポスドクみたいな状態でしたが、やがて都内の女子大に職を得て、さらには地方の国立大学の助教の職まで得ました。しかしその彼女が、近年仕事を辞めてしまったので、周りは驚きました。助教の仕事は、あるプロジェクトのための仕事だったので、プロジェクトが打ち切りになるとそこでその仕事も終わりだったようです。最近は大学もそういう形の研究の仕方と、雇用の仕方をするので、安定した仕事とは言えないのだなと思わされました。
ただ、どの人についてもいえることはとにかく専門の研究職に就くには、たゆまない努力が必要であること、そして安定を求めてはいけないということです。